プロローグ

「地質調査所」発行の資料を多用しています。     

江田島5万分の1岩石名ー(800) 

日本列島の地質はイザナギ、イザナミ神話の「アメノヌボコを降ろして混沌をかき混ぜると、矛の先から滴る潮からオノゴロジマができた・・・」とあるように、ごっちゃ混ぜの複雑な地層が組み合わさって出来ています。

 

原形は3億年以前にユーラシア大陸の東岸にあり、海洋プレートから順次押し寄せてくる付加体をくっつけていました。

最も古いとされている付加体は、3億5千万年前の隠岐帯や飛騨帯で、その後に秋吉帯や三郡帯が3億から2億年前に付加されました。

今も江田島島内の野登呂山や津久茂に残る領家変成岩類の玖珂層群は1億7600万年~1億4600万年前に付加形成されました。

 

また、1億2千万年から6千万年前にかけて、大陸東岸の広い範囲で火山活動が活発な時期があり、江田島近辺では、呉市の灰ヶ峰付近やその東方に多量の火山岩が噴出しています。

 

同時期には、島内でもっとも古い深成岩の音戸花崗閃緑岩(後から貫入した呉花崗岩に呑み込まれた捕獲岩です。)や江田島花崗閃緑岩が、玖珂層群の下に貫入固結し、直後に呉花崗岩が島内のほぼ全域に貫入しました。

また、その後の地殻変動で、花崗斑岩、珪長岩、閃緑班岩が、上層の呉花崗岩や、玖珂層群に岩脈となって貫入しました。

 

6500万年前には恐竜の絶滅があり、4500万年前にはインド大陸がユーラシア大陸に衝突しています。

日本海が形成されるのは2400万年から1500万年前で、この時に、日本列島の原形がユーラシア大陸から切り離されました。

1400万年前には瀬戸内海の広い地域、小豆島や山口県の周防大島などでも、活発な火山活動がありましたが、江田島の近辺には及ばなかったようです。

 

丹沢山地や伊豆半島が本州に衝突したのは、1500万から500万年前で、江田島近辺の海底からも化石となって発見されるナウマンゾウが生息していたのは25万年から2万年前です。

その後、陸続きだった宗谷海峡が海水面下に没し、日本列島がほぼ現在の姿となったのは、13,000年から12,000年前だと言われます。


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玖珂層群

形成年代(1億7600万年~1億4600万年前)

分布  (野登呂山周辺と沖美町の砲台山、江田島町の津久茂地域)

岩相  (泥岩や砂岩、チャート・石灰岩・火山岩)

 

三畳紀からジュラ紀後期に海洋底に堆積した火山岩やサンゴ、放散虫、大陸起源の泥や砂が海洋プレートの移動にともない、ジュラ紀末に大陸東岸に付加形成されました。

江田島町津久茂の西側海岸の路頭が観察適地ですが、海洋性火山岩は沖美町砲台山の南に続く稜線で見られ、石灰岩はかって三高ダムの東岸で採掘されていました。

玖珂層群チャートCIMG8022 
チャートと泥岩の互層(江田島町津久茂の西海岸)

玖珂層群泥岩CIMG1479 
呉花崗岩(下)と玖珂層群泥岩の接触面(江田島町津久茂の西海岸)

緑色岩120117 085 
海洋性火山岩(沖美町砲台山林道)

生石灰焼成釜 
昭和30年代まで操業(地質調査所資料より)

音戸花崗閃緑岩

形成年代(1億年~6500万年前ですが、後から貫入した呉花崗岩に取り込まれた、巨大な捕獲岩です。)

分布  (沖美町の畑から・鹿川・深江の海岸)

岩相  (石英・斜長石・カリ長石・黒雲母・角閃石及び、褐れん石・チタン石・ジルコン・燐灰石)


音戸花崗閃緑岩は呉花崗岩の捕獲岩で、最大径7kmにも及ぶ巨大な岩体ですが、多くが風化侵食により消失してしまい、大柿町の大附海岸などで風化を免れた、一部が観察できます。
また、早瀬から陀峯山近辺や、倉橋島藤脇にも呉花崗岩の捕獲岩となった、径が数mの音戸花崗閃緑岩を見ることができます。


音戸花崗岩・大附CIMG7877 
タマネギ状に進む風化(大柿町大附海岸)

音戸花崗岩・アップ100426 037 
新鮮な岩面(大柿町大附海岸)


塊状中粒の角閃石黒雲母花崗閃緑岩で、しばしば2~4cmのカリ長石班晶を含み、さらに捕獲岩片として、1~5cmの細粒石英閃緑岩ないしトーナル岩を包有します。

江田島花崗閃緑岩

形成年代(1億年~6500万年前で、音戸花崗閃緑岩とほぼ同年代の貫入)
分布   (津久茂・鷲部・高田など江田島湾の周辺)
岩相   (斜長石・石英・黒雲母・カリ長石及び、燐灰石・ジルコン・褐れん石・角閃石・鉄鉱物)

中粒角閃石含有黒雲母花崗閃緑岩で、5~30cmで球状の細粒石英閃緑岩ないしトーナル岩を包有し、音戸花崗閃緑岩に酷似します。
音戸花崗閃緑岩と同じく、ほとんどが風化浸食されてしまいましたが、津久茂や鷲部海岸、能美町の松ヶ鼻などで見ることができます。

また呉花崗岩に捕獲されたり、あるいはコアストーンとして風化に耐えた江田島花崗閃緑岩が、切串近辺や秋月林道などに僅かですが残っています。

江田島花崗岩・コアーCIMG7649 
マサ土の中に埋もれたコアストーン(江田島町秋月林道)

江田島花崗岩・秋月林道CIMG7648 
トーナル岩を含有した新鮮な岩面(江田島町秋月林道)

呉花崗岩

形成年代(1億年~6500万年前ですが、音戸花崗閃緑岩や江田島花崗閃緑岩よりも新しい時代の貫入)

分布  (全島内で、上記の玖珂層群、音戸花崗閃緑岩、江田島花崗閃緑岩の下部にも間入)

岩相  (石英・斜長石・カリ長石・黒雲母・角閃石及び、褐れん石・ジルコン・燐灰石・鉄鉱物、産地により、モナズ石や螢石、白雲母を含有)

 

島内では、粗粒及び、中、細粒の黒雲母花崗岩と角閃石含有の黒雲母花崗岩、大柿町南部には白雲母を含む岩相もあります。

地域によってシュリーレンや小さな石英脈、ペグマタイトが多見され、ペグマタイト中には、カリ長石や黒水晶、白水晶、黒雲母、曹長石、鉄かんらん石が結晶し、極まれに紫水晶やトパーズも産出します。

呉花崗岩粗粒黒雲母花崗岩111115b 029 
奇岩羅漢岩(大柿町南部陀峯山近辺)

呉花崗岩切串100414 041 
粗粒黒雲母花崗岩の風化岩面(江田島町切串)

閃長岩類

形成年代(1億年~6500万年前で、呉花崗岩とほぼ同時期に形成)

分布  (切串や沖美地区、親休鼻)

岩相  (斜長石・カリ長石・緑れん石・緑泥石及び石英・チタン石)

 

アルカリ長石を主成分とする深成岩で、産状は一定せず、閃長岩、石英閃長岩、モンゾニ岩、石英モンゾニ岩と組成が漸次変化します。

 

江田島町切串に観察適地がありますが、波による侵食で年々少なくなっています。

中心部と思われる部分は閃長岩ですが、周辺部は石英閃長岩、モンゾニ岩、粗粒黒雲母花崗岩へと変化しています。

閃長岩100414 021 
閃長岩と思われる中心部分(江田島町切串)

閃長岩CIMG7110 
肉眼では長石のカステラ状?(江田島町切串)

花崗斑岩・花崗閃緑班岩

形成年代(1億年~6500万年前ですが、呉花崗岩の間入形成直後に地殻変動に伴う亀裂を伝って貫入)

分布  (島内各所で見られ、何本もの花崗斑岩が岩脈となって南北に走りますが、仏ノ塔付近の岩脈は島内最大規模)

岩相  (班晶として、カリ長石・石英・黒雲母・斜長石があり、石基は、石英・斜長石・カリ長石・黒雲母・鉄鉱物・緑れん石)

 

班昌のカリ長石は最大10cmもあり、石英などにも大きな自形結晶が見られます。

また、しばしば10cm前後の細粒石英閃緑岩を捕獲しています。

観察適地は、江田島町南部の秀崎や、沖美町北部海岸や南部の大矢鼻にあります。

花崗斑岩・鷲部CIMG7609 
カリ長石の班昌が目立つ花崗斑岩(江田島町鷲部海岸)

花崗斑岩・大矢鼻CIMG8476 
細粒石英閃緑岩を捕獲した花崗斑岩(沖美町大矢鼻)

珪長岩

形成年代(1億年~6500万年前で、前記花崗斑岩や花崗閃緑班岩と同時期に貫入)

分布  (西能美島と東能美北部で、岩脈となって南北に走る)

岩相  (石英・斜長石・カリ長石・黒雲母及び緑れん石・板状鉄鉱物)

 

花崗斑岩とは石基が同じで、カリ長石の大きな班晶を欠くものですが、貫入地域が偏り、見た目の違いが大きいために珪長岩として区分されました。

 

地質図には記載できない、小さなものはどこにでも観察できますが、能美町の松ヶ鼻で大きな岩脈が見れます。

珪長石・松ヶ鼻」CIMG7508 
岬を作る岩脈(能美町松ヶ鼻)

珪長石・松ヶ鼻CIMG7505 
一見チャート層にも(能美町松ヶ鼻)

閃緑班岩

形成年代(1億年~6500万年前ですが、上記の花崗斑岩よりも後から貫入)

分布  (貫入数も少なく規模も小さいのですが、各地に散在)

岩相  (班晶として、斜長石・斜方輝石・単斜輝石があり、石基は、珪長質鉱物・輝石類・燐灰石・鉄鉱物)

 

脈幅は1m前後ですが、花崗岩とは全く異色の暗緑色で、泥状に風化したものは黒っぽい茶褐色になります。

班昌の目立つものと、そうでないものがあります。

 

島内でもっとも立派な岩脈は、大柿町の常ヶ石崎にあり、波で磨かれて深緑色に輝いています。

閃緑班岩・常ヶ石崎CIMG0639 
島内最大の岩脈(大柿町常ヶ石崎)

閃緑班岩・常ヶ石崎CIMG0643 
呉花崗岩(下)との接触面(大柿町常ヶ石崎)

水晶

石英は地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにも普通に存在し、二酸化ケイ素 (SiO2) が結晶してできた鉱物です。

その石英が六角柱状に自形結晶したものを水晶と呼び、花崗岩質ペグマタイトや熱水鉱床などに産出する水晶には、きれいに結晶したものが多くあります。

 

花崗岩の多い江田島には水晶が豊富にあったそうで、古老に水晶の話を尋ねますと「そがなもなぁ~、どこんでもころがっとるがぁ」「小学校の遠足で山に登って、ポケットに一杯ひろぉたがのぉ~」

えっ、どこで拾ったのか詳しく教えてください。

「子供んときの話だでのぉ」「あっちの山やこっちの山やじゃが、いまぁ~いけんじゃろうてのぉ~」

その水晶、今も何個か持ってますか?

「さてのぉ~、こないだまじゃ~、そこらにあったんじゃが」

 

古老の方々のお話を参考に、島内をくまなく?探索した結果が、下記の図になります。

あっちの山やこっちの山よりは参考になると思います。

子供の皆さんは好奇心をもって、大人の方々は節度をもって、すてきな水晶に巡り合ってください・・・(*^^*)です。   

水晶プロット(江田島2012)改A


赤いマークはかって水晶が見つかった場所です。

黄色いマークはペグマタイトの多い場所ですので、まだ水晶が眠っているかも?・・・(^_^;)です。

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