水中に眠る水晶

江田島地図2分割南(長浜) 

戦後の高度成長期、各地で埋め立て用の石材が大量に必要となり、この付近の岩壁や岬には、石材を切り出した跡が沢山あります。

山田洋次監督の映画「故郷」1972年の記憶だと思いますが、ダイナマイトを使って家族で岩壁から岩を切り出し、その石材を小さな木造船に積んで埋立地に運び、船のクレーンにぶら下げた岩の反動を利用し、船を転覆の一歩手前まで傾けて、甲板に積んだ岩石を一気に海中へ落とすという、スリルいっぱいの大胆で繊細な技量にぶったまげました。

ダイナマイトの硝煙が消えた岩盤に、巨大晶洞が現れた瞬間、立ち会いたかったなぁ~・・・(*^。^*)です。

CIMG9237 

長さが3mの晶洞には雨水が溜まり、小石や泥で厚く覆われています。
水や泥をすくい出すのに半日かかりました。

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(画像の左右60cm)
泥で真っ黒になっていますので、すべてを持ち帰って水洗いをすることにしました。
数ヶ月前に買い換えたばかりの車だったのですが、車の中は数週間、ドブの臭いが取れませんでした・・・(^_^;)です。

CIMG9253 
(画像の左右30cm)
大きな水晶ですが、期待したほどには形の良いものはありませんでした。

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(画像の左右7cm)
大きくていびつな水晶の一面に指の爪のような小さな水晶がくっついています。

CIMG9281 
(画像の左右10cm)
大きな親亀の背中に乗った、小亀のような可愛らしい水晶です。
このような形をした水晶は、紫色をしていることが多いのですが、残念なことにすべて真っ黒です。
放射線とかを照射すれば、あるいは紫色に変身するかも・・・(*^。^*)です。
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岩盤の中に眠る水晶

江田島地図2分割南(陀峯山南東) 

江田島の石に興味を持った初期の頃、この付近の海岸に白い珪石が多いことに気づきました。
その付近に注ぐ谷川を遡ってみると、水晶の欠片や、透明に近い珪石(石英)も散らばっています。
って、ことは、この上流の岩山には水晶があった?、まだあるかも・・・ヽ(〃^-^)/です。

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(画像の左右50cm)
1週間後、目立つ色の黄色いリュックに、お弁当とお茶、そして万が一の遭難に備えて、飴玉と缶ジュース、携帯電話と呼び笛、20mのロープと体が入るくらいの厚い大きなビニール袋、ティッシュペーパーと新聞紙とレジ袋、を詰め込み、水晶採取用に980円の園芸用ピッケルと、貝むき用のナイフ、新品のズックと皮の手袋をそろえ、デジカメをポケットに入れ、頭にタオルを巻いて、初めての本格的?岩山登りです。

CIMG4644 
(画像の左右15cm)
海岸を散歩中に波で角が丸くなった水晶とか、石切り場の隅に投げ捨てられた水晶を拾ったことはありましたが、水晶採掘を目的に歩くのは初めてです。
しかも初回から、イノシシも避けて通る急斜面の岩山探索です。

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(画像の左右10cm)
始めに水晶の破片を見つけたのが谷川の下流でしたので、その川に流れ込む水の流れを想像し、谷や窪地を主に見て回っていたのですが、谷を遡るほどに石英質の石ころは見当たらなくなります。
非常食用に持ってきた飴玉も無くなり、歩きにくい谷筋を出て尾根づたいに帰ることにしました。
やっぱり、初心者じゃ駄目なんだ。
「岩山のバカヤロ~~」って声には出しませんが、持っていたピッケルで思いっきり岩盤をぶっ叩きました。
ボコッ・・・えっ、えぇ~~~ 
硬い岩盤にピッケルが跳ね返るのを想像していたのですが、・・・えっ、えぇ~~~
私の頭がスッポリと入りそうな穴が開きました・・・ヽ(〃^-^)/です。

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(画像の左右150cm)
戻せる砂は元の穴に戻し、周りをきれいに整えて作業終了です。
今、当時を振り返れば何もない岩盤の、その一箇所に珪石の白い手が現れて、手招きをして呼んでくれたのだと、・・・ 感謝 m(__)m です。

091121 008 

先の岩盤とは別の場所ですが、後日再現画像に協力して頂いた、お友達のS氏です。

風化の進んだ、閃緑班岩

江田島地図2分割南(長浜) 

海岸岩壁を垂直に割って入った閃緑班岩の岩脈があります。

CIMG4157 
(画像の左右4m)
呉花崗岩の岩壁を割って貫入した閃緑班岩が、タマネギ状に風化しています。

CIMG4168 
(画像の左右3m)
水平になった下部面は、風化した閃緑班岩の部分が、人為的に溝を掘ったように波で削り取られています。
溝の深さ約1mで横幅は2m、溝の中に花崗岩のブロックが崩落しています。

CIMG4164 

垂直岩壁の中央、溝の部分が風化した閃緑班岩です。

常ヶ石崎の閃緑班岩

江田島地図2分割南(常ヶ石崎) 

地質調査所の地質図(1997年)には未記入ですが、新鮮で巨大な閃緑班岩の岩脈を見ることができます。

CIMG7795 

花崗岩の岩肌を見慣れた目には、異様にうつる青黒い色をした閃緑班岩の岩脈です。
海の向こうは倉橋島です。

CIMG0643 
(画像の左右20cm)
波に削られ、スベスベになった呉花崗岩と閃緑班岩の境界面です。
島内の他所で見る閃緑岩は直線的な亀裂を作って貫入していますが、当地の閃緑班岩は少し複雑な亀裂を作って貫入しています。

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(画像の左右30cm)
陸上で自然崩壊した閃緑班岩の断面です。
白い斑点は斜長石です。

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(画像の左右2m)
風化の進んだ部分は茶褐色に変色しています。

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(画像の左右120cm)
色の薄い部分が花崗岩で、こげ茶色に風化した閃緑班岩が縞状に割れ目を作って貫入しています。
閃緑班岩は、斜長石、珪石、角閃石、緑泥石化した輝石などで構成されます。

早瀬の瀬戸の石英閃長岩

江田島地図2分割南(早瀬) 

流れの速い、瀬戸の海流に削られた、新鮮な岩肌を見ることができます。

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(画像の左右110cm)
波しぶきで変質?したのか、超グロテスクな石英閃長岩が岩壁から飛び出しています。

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(画像の左右15cm)
石英の白い粒がはっきりと見える部分です。

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(画像の左右60cm)
カリ長石と斜長石がミックスした岩塊(モンゾニ岩~石英モンゾニ岩)です。

CIMG7729 

この先は、泳いで行くか船に乗らないと・・・(^_^;)です。

花崗斑岩が捕獲した石英閃緑岩

江田島地図2分割南(鳶ヶ鼻) 

柿浦港の南に鳶ヶ鼻と呼ばれ、干潮時には陸続きとなる小島があります。

CIMG8499 
(画像の左右25cm)
島として残った部分は呉花崗岩よりも風化に強い、花崗斑岩でできています。
その花崗斑岩が岩脈となって貫入上昇したとき、呉花崗岩よりも深部にあった石英閃緑岩を剥ぎ取って昇ってきました。

地下深部に巨大な溶融岩体がある場合、花崗岩はもっとも後に形成されます。
カンラン岩>班れい岩>石英閃緑岩>花崗岩の順に岩体の下の方に堆積し固化します。
また、花崗岩は比重が軽いため、固化した後も長い年月をかけ、地上を目指して昇ってきます。
そんな花崗岩の下で、またまた新たな岩体が溶融し、地殻を割って飛び出してくるなんて・・・ピューーー、大地はいつでも、いつまでも、動いてるんですねぇ~。

風化耐性の違いから石英閃緑岩を取り囲む花崗斑岩には放射状の亀裂が入っています。

CIMG8498a 

干潮時の鳶ヶ鼻(トビガハナ)と、海の向こうには呉市市内が霞んでいます。
近くの無人島「引島」も花崗斑岩の岩脈でできています。

含方鉛鉱曹長石質閃長岩

江田島地図2分割南(飛渡瀬) 

探しては見たんですが♪・・・
見つけにくいもので♪・・・
机の引き出しにも入っていませんでしたし♪・・・(^_^;)です。

CIMG2401 
(画像の左右35cm)
地質調査所発行の資料によりますと、この付近に方鉛鉱を含む閃長岩の岩脈があるとか・・・ ヽ(〃^-^)/ です。

「カリ長石、斜長石、石英の量比によって、閃長岩、モンゾニ岩及び、石英モンゾニ岩とよばれる。当地域の閃長岩は、母岩の呉花崗岩の破砕面に沿って、閃長岩成分と、鉛や曹長石が浸透し発達した、交代性閃長岩である。」

藪をかき分けて見ましたが、残念ながらそれらしい、岩脈を見つけることが出来ませんでした。
帰り道、ミカン畑の石垣に、それらしい感じの石がありましたので、画像だけいただきましたが、果たしてこの石がそうなのか?、まったく自信がありません・・・(^_^;)です。

CIMG2400 

おそらく、この送電用鉄塔の取り付け工事中に発見され、整地作業で削り取られたのでは???です。

飛渡瀬(閃長岩) 
(地質調査所資料より)
含方鉛鉱曹長石質閃長岩は、矢印の先、記号Syです。

呉花崗岩の風化紋様

江田島地図2分割北(三高西方海岸) 

花崗岩の岩壁には様々な紋様を見ることができます。

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(画像の左右80cm)
花崗岩中の鉄分と水が作用したと思える紋様です。

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(画像の左右60cm)
岩の割れ目から染み出した地下水で作られました。

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(画像の左右120cm)
鳥取砂丘の風紋のようにも見える凸凹は、風の作用?かな~・・・(^_^;)です。

CIMG8334 
(画像の左右3m)
わりと、どこにでも見られる、レンガ紋様?は、花崗岩に薄い脈で貫入した、珪長石の方形風化?です。

不気味に変質した花崗閃緑班岩

江田島地図2分割北(三高西方海岸) 

潮が引くと、海ボウズが現れる海岸。 

CIMG8276 
(画像の左右2m)
で、で、で、出た~~~。
火山地帯で、硫黄が吹き出ているかのようにも見える、黄色い岩頭は超ビックリな光景です。

CIMG8267 
(画像の左右12cm)
もっとも判りやすい新鮮?な部分をアップしました。
おそろしく風化していますが、石英やカリ長石、黒雲母が張り付いています。

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(画像の左右30cm)
海ボウズの唇です。
って?・・・鉄分の多く含まれた部分がサビ色に変色しています。

CIMG8277 

この、ズブズブに風化した花崗閃緑班岩の岩脈は、幅3mで宮島の方向へと進み、海中に消えます。

特異なひび割れをする斑岩~安山岩

江田島地図2分割北(三高西方海岸) 

この付近では、急激に冷却した熔岩を思わせるような、パンの皮状にひび割れた外観の転石が見られます。

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(画像の左右80cm)
まるで海中に押し出された、溶岩流のようなひび割れをした転石です。
石質は安山岩っぽい感じもしますので、あるいは貫入した斑岩岩脈の最上部にあって、急速に冷却された岩石だったのかも・・・(*^。^*)です。

CIMG8219 
(画像の左右60cm)
空中を飛んできた熔岩が、海中に落下してひび割れたように見える転石もあります。
表面の白いのはフジツボです。
 
CIMG8215 
(画像の左右1m)
右の黒っぽい班の部分は、斑岩が上昇中に地下深くで捕獲した、閃緑岩です。
地中深くで、捕獲された閃緑岩は上昇中に角が溶けて丸くなっています。

左上部に風化が進み茶色くなった、一辺が30cmの岩塊は玖珂層群の泥岩です。
角ばっていますので、岩脈の最上部で取り込まれると、解ける間もななくすぐに固まってしまったのでしょう。

CIMG8217 
(画像の左右60cm)
一辺が20cmの黒い部分が、玖珂層群の泥岩です。
貫入した斑岩岩脈の最上部は、玖珂層群にその頭を冷やされたのかも・・・(^_^;)です。

CIMG8216 
(画像の左右80cm)
この転石の元となる斑岩岩脈は陸上には見当たりませんので、おそらく海中に脈を作っているのだろうと思います。

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