岡大王 名勝「笠松」の跡

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旧正光港の最奥、大王天満宮の乗る王城岬(鼻)の先端部に、かって「笠松」あるいは「さがり松」と呼ばれる古松がありました。

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古くより人々に名勝として親しまれた「笠松」の景観は、昭和50年ごろマツクイムシの猛攻により一瞬で消滅しました。

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平成になり、手狭となった県道36号線のバイパスとして海岸道路の拡張工事が進展。

削り取られる運命となった岬の先端部分に残った花崗岩の奇岩部分を移設し、新たに若松を添えて、名勝「笠松」の跡とし、旧正光港の埋め立て地にその由来が残されることになりました。

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笠松の枝下、岬の先端部に残っていた奇岩は、花崗岩の風化初期にできる方状節理とよばれるものです。
ちなみに、方状節理(ほうじょうせつり)は、花崗岩のような深成岩によく見られる現象で岩体が直方体状となる節理をいいます。

岩石の節理現象には、他にも玄武岩によく見られる柱状節理や放射状節理、安山岩の板状節理があり、著明なものは国の天然記念物に指定されることも多くあります。

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かって笠松をはじめ、松の古木で鬱蒼としていた天神の杜も、その岬を守るすべての松が枯死したことにより、急速に風化が進行、ついにはコンクリートによる崩壊防止工事を受けることとなりました。

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岬の先端を削り取ってコンクリートで固め、昔からの港を埋めて幅広のバイパス沖海岸道が完成しました。

笠松 
昭和50年2月の正光港と、鬱蒼とした木々の中にある大王天満宮です。

画像でははっきりしませんが、おそらく「笠松」も健在だったろうと思われます。

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画像は江田島町切串にあった、花崗岩の方状節理が著明な崖です。

大王「笠松」の枝下にあった花崗岩奇岩とそっくりな状態で、つい先年までは健在でしたがこれも地震などあったら危険だということで、ワイヤーネットとコンクリートで塗り固められ、崖下のお地蔵さまも安全な場所へとお引っ越しされました。

このような自然の奇岩や古木には古来精霊がやどるとされ、信仰の対象とされました。
大王の天神様も元々はこれと同じように、花崗岩奇岩と古木笠松の自然信仰が始まりであったやも???・・・(*^。^*)です。
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岡大王 農道・沖離島農道

県道・往還道・農道AA  
旧沖村(是長・畑・岡大王)地区を縦断する道路として、江戸時代に道幅90cmで開通したとされる往還道、大正から昭和にかけ整備が進んだ県道36号線、平成に入って大きく改良された護岸兼用道路であるバイパス沖海岸線、集落の最上部を縦断して昭和後期に広島県離島振興計画により開通した沖離島農道があります。

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沖離島農道は離島振興計画により昭和後期につくられたもので、当初は軽トラの離合にも不便な道幅でしたが、近年になり農業用水管の埋設と合わせ、道幅も大きく改良されました。

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上図は「広島県離島振興計画(平成25~34年度)」からのコピペ・・・m(__)mです。

江田島市の一部(津久茂・高田・沖美・深江)は早瀬大橋架橋後もしばらく離島指定がなされていましたが、現在は解除され、あらたに「江能倉橋島地域半島振興計画」が始動することになります。

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普通車の離合も十分に可能な道幅に整備し直された沖離島農道です。

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集落の最上部を縦断しますので見通しも良く、岩国や大竹市の阿多田島、宮島まで一望できます。

眼下の大屋根は専念寺の本堂、その先、防波堤の内側が畑漁港です。

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農道は広くなり、対向車に気遣いする必要は無くなりましたが、急傾斜地につくられた農地は2、3mの幅もない段々畑の連続です。

当然、トラクターなどの重機が使えるわけもなく、今までどおり肩に背負って肥料を運び、クワでもって耕すか、せいぜい小型の耕運機を一段づつ畑の石垣越しに上げ下ろしして使うしかありません。

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お百姓さんの大変な苦労に応え、ジャガイモが宝石のような花をつけました。

地勢は急斜面ですが、花崗岩の風化土は作物の根っこを優しく包み、海風が揺らす葉っぱには、太陽からの光が溢れんばかりに注がれます。

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キャベツも今が成長の真っ盛り、大きく広げた葉っぱで太陽のエネルギーをすべて吸収、光合成反応をフル回転してガンガンと養分をため込んでいきます。

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整備された沖離島農道を一歩外れると、昔ながらの軽トラの離合も不自由な農道ばかりです。

季節は1月ですが、落ち葉や枯れ枝はきれいに取り除いてあり、お散歩だけのよそ者には理想の遊歩道、左右も前後も上下遠近も四季折々の最高の景観が演出されます。

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お城の石垣のように高く積まれた段々畑には、超小型の耕耘機を出し入れするのも一苦労です。

でもクワを使って耕すよりは格段にはかどりますし、女性でも・・・なんとか。

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平地の何倍もの重労働がともなう段々畑では、収益性の高い花き栽培などが適しますが、設備投資や栽培技術の習得、販売ルートの開拓など、またあらたな難問もいっぱい・・・。

温室内には管理手入れがゆき届いたスイトピーが色鮮やかに咲き競います。

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大黒神島と、海の青と、木々の新緑と、色とりどりの春の花・・・(*^。^*)です。

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夏みかんの向こうに広がる岡大王集落と、その先に伸びる半島の先端が赤曲鼻、さらにその向こうは深江沖野島、長島、はるか遠くに倉橋島の山並みまでが見通せます。

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岡大王地区の最南部、赤曲鼻の手前には巨大な温室設備を持つ、沖美ベジタ(有)があります。

建設業界からの異業種参入だそうですが、研究熱心で丁寧な作業管理、沖美町の豊かな自然環境とがうまく調和し、とても美味しいイチゴが育つといいます。
栽培品種は「紅ほっぺ」、大粒で色鮮やか、3月から5月に掛けてはイチゴ狩りも体験できます。

岡大王 県道36号線

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沖美地区(特に旧沖村)には急こう配な山裾がそのまま海岸へと落ち込む地形が多く、海岸沿いに道路を作るには近年の大型土木機械の登場が不可欠でした。

そのため、古くは耕作地を結ぶ農道と三吉(高松峠)や中村(雀峠)、鹿川(才越峠)とを結ぶ山越え道のみでしたが、江戸時代になり往環(おうかん)とよばれる90cm幅の道路が整備され、今もほぼそのままに、沖中央横断線(道幅は約3mに拡張)として是長、畑、岡大王を結びます。

現在の県道36号線の原型となる道路が整備された始めたのは大正7年で道幅は180cmでしたが、昭和6年になり、三高から沖(是長・畑・岡大王)、鹿川、大原を経由して大君までの間が県道認定を受けました。
才越え峠も昭和11年に5m幅に拡張され鹿川とを結ぶバスの運行(昭和13年 是長~鹿川)も始まりましたが、難工事であった是長と美能の間が完成したのは昭和35年で、三高とを結ぶバスの開通は昭和37年3月となってからでした。

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丸本真珠店さん前の県道36号線(広島県道36号高田沖美江田島線)です。
大型車同士の離合にはかなり神経を使いそうな道幅です。

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大王地区の丸本真珠店から、畑地区の元沖美町役場付近までは、県道沿いに小さいながらも数十軒の店が並び、沖地区の商店街通りとして昭和後期のころまでは賑わいもあったのですが、今は数店舗を残して休業状態となりました。

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寺野下酒店さんです。
ごく最近までは商いがあったようですが・・・。

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古くからのお店だったのでしょう。
柱に打ち付けたペプシコーラの看板が判読不能なくらい錆で覆われています。

ちなみにペプシコーラの日本本土内での販売開始(ボトリング)は1956年です。

一方のコカ・コーラは大正時代には輸入され、戦後進駐軍用にボトリングされていたといいますが、一般用にボトリングを開始したのは1957年です。

コーラ飲料が多くの人々に知られるようになったのは1962年、TVでCMが開始されてからのようです。
この看板も1960年ごろ、東京オリンピック(1964)の開催が決まったころに付けられた???。

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お酒、ペプシコーラの他にも、たばこ小賣所や、塩小賣所と、手広く商いをされていたようです。

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えっ?。
中国電力電球引換所の看板もあります・・・(*^。^*)です。

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数軒先へ進むと「学生服は乃木服」の看板が張られた元呉服商らしきお家もあります。

ちなみに、乃木服のブランド名は、昭和3年創業の備前織物(岡山市北区)より、乃木将軍学生服として出されたものですが、昭和55年廃業となり、のちニッショウ学生服と同様に、昭和被服総業が乃木服のブランド名を継承しています。

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散髪屋(理髪店)さんです。

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御料理、仕出し、食品雑貨の山井一馬商店さんです。

入り口のガラス戸には「広島歌謡コンサート」のポスターが張られており、出演者の香西かおり、新沼謙治、中村美津子、池田輝郎さんが笑顔でこちらを見ます。
上野学園ホール、開演は5月22日木曜日、午後の2時と夕方6時半、S席7,500円・・・です。

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このお家も広いアルミ戸の間口を持って、ご商売をされていた様子ですが・・・

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白壁に酒王千福の看板を揚げた、酒井酒店さんです。
キリンビールやタバコも商っておられます。

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畑地区との境界付近高台から見た、岡大王商店通り(県道36号)と、その上下に分断された岡大王集落の家々です。
センターラインもない狭幅の県道ですが、鋸の歯のように飛び出た幾つもの尾根を削り取り、深い谷を埋め、多くの民家の敷地を削って造られた、希少な交通路です。

現在は海岸線に沿った幅広いバイパス道を通る車が多くなりましたが、三輪バタンコや、ボンネットバスが頻繁に行き交った思い出の道。 昭和も遠くなりにけり・・・(*^。^*)です。

岡大王 小田港・正光港・畑漁港

小田港・正光港・畑漁港 
岡大王には南側から小田港、正光港、畑漁港と大規模な港が三つもあります。

かっては花崗岩の切り石で組んだ防波堤で囲われ、小さいけど風情のある港でしたが、平成に入ったころより、急速に近代化が施され、昔の情景を思い起こすよすがはまったく見当たりません。

その分、台風が近づいても増し舫い(ロープ)を一本多く取るだけで済むようになり、船を浜の奥に引き上げたり、他港に緊急避難する必要もなくなり、潮の満ち引きに関係なく安心して漁に出れるようになりました。

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旧小田港を埋めて沖に出し、大規模な近代化がなされた新小田港です。

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小田港とは防波堤一本を堺として、その北側に正光港が隣接します。

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正光港に舫う小型漁船です。
手前の桟橋の上に整然と並べてあるのは、タコ漁で使用するタコツボです。

昔は陶製の壺でしたが、近年はプラスチック製です。

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大王神社(天満宮)付近の高台から見た、南の方向です。
港の半分より手前が正光港で、その向こう南側が小田港です。

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畑漁港の南側(旧岡港)です。

北側の畑地区にはかって旅客船用桟橋(沖港)があり、是長港、美能港、三高港を経由し広島宇品港とを結ぶ定期航路がありました。

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畑漁港と道路を隔てて、沖漁業協同組合(岡大王・畑・是長)があります。

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県道36号線沿い、専念寺の南に丸本真珠店の看板が目立ちます。

えっ?、こんな田舎に(失礼。m(__)mです。)宝石販売店が???って、おどろいたのですが、実は真珠の養殖を本業(他に、アクセサリー修理,アクセサリーショップ,貴金属店,真珠,真珠卸,宝石加工,宝石貴金属リフォーム,宝石店)とされているようです。

中国新聞(2013年7月7日)記事によれば、水質の良い大黒神島付近でアコヤ貝を養殖、年間3万個の核入れ作業を行い、そのうちの6割程度(上質真珠は約5千個)が真珠として出荷されるといいます。

創業は1947年、最盛期には江田島市近海に40近い真珠の養殖業者が集まったこともありましたが、1967年の国内生産量125トンをピークに下降、2011年には20トンにまで落ち込みました。

現在江田島産真珠の養殖販売業は岡大王の「丸本真珠店」のみとなりました。

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小田港から南の赤曲鼻へと向かう途中、なんとも奇怪な船が数隻船首を道路側にして並びます。

映画撮影用の模型船?、木工船大工さんの練習用???・・・いえいえいえ・・・実は、ここはFRP船の造船所なのです。

外側から見える規則的に組まれた木材は、船形補強の骨材で、それにそって内側にスベスベした面を持つ船形が作られています。
その内側の船形に合わせてガラス繊維を何枚も張り合わせ、特殊な樹脂で固めます。
硬化した船体を形から抜き取ればFRP船の出来上がり?・・・って、まあそう簡単な作業ではなさそうですが、大小5、6種類の船形が用意されています。

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岡大王と大黒神島の間を行く小型漁船です。

船首に乗り、海面を凝視しながら船を進めていましたが、まさかカジキマグロの突きん棒漁じゃなさそうですし???・・・(^_^;)です。

昭和37年(小田港・正光港・畑漁港) 
昭和37年5月16日の航空写真です。

どの港も北側に防波堤が築かれており、湾口は南側に開けられています。
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