秋月 川・水源

2)江田島町南部・秋月・川・水源b   
地図を見ていただければ一目ですが、この秋月地区で川と呼べるものは・・・(^_^;)です。
大雨の降った翌日、水の流れを見つけて遡っても、最大300mをたどれば、山の尾根の分水嶺に達します。
かといって、水害が無いわけではなく、花崗岩特有の風化土が、わずかな雨でも急斜面を崩れ落ちてきます。
降れば水害がおこり、降らなければ3日で干上がってしまうという、最悪の水環境です。

が、この秋月地区には古くから立派な港があり、宝永7年(1710)の記録にはすでに、32軒の家々が建ち、男性66人、女性が61人とあります。

また、江田島町の最大人口、21,093人を記録したのは昭和22年ですが、その時の秋月の人口は少なく見ても2,000人以上(推定)が居住していた?はずです。

2012-10-19 002 007 
浸食で削り取られた山肌には、小さな水路ができ、雨水を集めて一気に海へと流れ落ちます。
途中で水を溜め、利用する技はありません。 

CIMG2389 
初めてこの地に住み着いた数人の人々から、戦後の動乱期に居住した数千人の人々まで、この秋月の人々を養い、助けたのは、背後にある山々の、その特異な地形から湧き出す地下水があったからこそでした。

背後の山々の標高は、わずか150m、その山々の尾根筋は海岸から300mの間近なのに、なぜか、秋月集落の下には、透き通るような地下水が、とぎれることなく流れています。


CIMG3799 
上の地下水脈から50mばかり下がった位置に、さらに水質の良い地下水が湧きだし、共同井戸が作られています。
 
住民にとって、もっとも大切な場であったろう、この井戸には、瓦の屋根がかけられ、厚い板塀で囲いがされており、その内部に見える井戸は、目測で2m×3m、深さ1mくらいの大きさがあり、お湯が出れば、そのまま共同浴場として使えそう・・・(*^。^*)です。 

板壁の廻りには、水をくみ上げ、容器に移すための手動ポンプが設置され、一般に見る手押しポンプの他に、銅板を加工して作った大口径の特殊なポンプもあります。

2012-09-09 002 141 
上の画像は2006年10月の撮影ですが、その後、この共同井戸は補修され、周りを囲む板塀はトタンとなり、修理の難しい、特殊な銅製の大口径ポンプは取り外されて裏手の方に集められていました。

先年(2006年8月の江田島市大断水)のような、大災害があったにしても、もう手動で水を汲むことはない、と・・・(^_^;)でしょう。 

101128 055 
この、秋月地区の家々の下を何本かの地下水脈が流れています。

背後の山々の花崗岩と、その岩体に貫入した花崗斑岩の微妙なバランスが、
付近一帯の雨水を地中に集め、水脈を作っているのでしょう。

飲み水だけなら、地下水だけで十分にまにあっても、各家々にお風呂があって、自動洗濯機をガンガン回すには無理があります。
 
住民が待ち望んだ、涸れることのない水源が、太田川から流れ込んだのは、昭和40年6月です。

CIMG3053 
秋月の南の高台、シビレ峠には真水の給水タンクがあります。

2006年8月25日午後、突然、太田川から江田島への送水がストップし、9月6日午前0時までの12日間、我が家の蛇口から真水が流れ出たのは、ほんの数時間でした。
(落盤事故のあった、送水隧道を使っての送水が再開されたのが11日で、完全復旧したのは9月12日です。)

その、断水期間中に、貴重な数時間の給水を可能にしたのが、この高台に設置されていた給水タンクです。
海上自衛隊の支援で、大型給水船が海上輸送した真水を、ポンプを使ってこのタンクに集め、時間を指定して給水バルブを解放していただいたおかげで、各家庭の蛇口から直に水を取ることができたのです。

陸上自衛隊の、給水車による支援も大変ありがたかったのですが、給水車が駐車する広場まで、手押し車や乗用車に、ポリタンクやバケツを積んで出かけなければ、水を持ち帰ることはできません。

たとえ、短時間でも、家々の蛇口から直接水が取れるのは、段違いに快適なことです。
その、数時間流れ出た水を風呂桶に溜め、手桶で行水に使ったり、トイレの水洗に利用でき、大いに助かりました。
飲料水や食事は外で買い求めることができますが、顔を洗ったり、トイレを流したりする水に一番の不自由を感じました。
 
その後、この断水事故を教訓に、新たに大容量の給水タンクが増設されました。

2012-10-19 002 059 
秋月の街の南に、昭和56年10月完成の秋月トンネルがあります。
このトンネルの掘削で、思わぬ付録が付きました。

水の乏しい、この地区にトンネルから地下水が湧いて出たのです。
昔なら水利権の取り合いで大騒動となるのでしょうが、今は誰も見向きもしません。
やっと秋月地区の老人会?が、もったいない精神を発揮し、町の船着き場近くまで水を引いて、親水公園を作り、流れ落ちる水音に安らぎを感じる場を提供しました。

世の中、変わればかわるもんだ・・・(^_^;)です。 
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
検索フォーム
カテゴリ
リンク
最新記事
月別アーカイブ
プロフィール

わきです

Author:わきです
FC2ブログへようこそ!